火災保険は、住宅を火災や自然災害のリスクから守るために不可欠なセーフティネットです。
しかし、単に加入すれば良いわけではなく、補償範囲の過不足や、保険金額の設定を誤ると、いざという時に十分な補償が得られない可能性があります。
適切な保険選びは、大切な資産を守るための基本です。
そこで今回は、火災保険の補償範囲と必要な特約の選び方、保険金額を決める際の「時価」と「新価」の違い、そして保険選びを有利に進めるためのコツをご紹介します。
【補償範囲】火災保険で「どこまで」守るか?必要な特約の選び方
火災保険は、基本の補償に加え、「どこまで」守るかを必要な特約でカスタマイズすることが大切でございます。特に自然災害に対する備えを検討しましょう。
1.基本補償の確認
まず基本補償の確認をしましょう。火災、落雷、破裂・爆発に加え、風災・雹災・雪災、水濡れ、盗難など、基本セットに含まれる補償範囲を解説いたします。特に風災は台風の多い地域では必須であることを強調いたします。
2.「水災」の必要性
「水災」の必要性も検討すべきです。河川の氾濫や高潮などによる浸水リスクが高い地域(ハザードマップで確認)に住む場合、保険料は上がるが「水災」補償を付帯すべき理由を説明いたします。
3.地震保険はセットで検討
地震保険はセットで検討しましょう。火災保険では地震による火災や損壊は補償されないため、必ずセットで地震保険を検討することが重要です。保険金額の上限が火災保険の50%までである点に言及しておきます。
保険金額を決める!「時価」と「新価(再調達価額)」の違い
火災保険の保険金額を決める際、「時価」と「新価(再調達価額)」の違いを理解することが、十分な補償を受けるための鍵となります。
1.「新価(再調達価額)」での設定を推奨
事故後、同等の住宅を再建築・再購入できる金額で設定する「新価(再調達価額)」での契約を推奨いたします。これが、実際に必要な費用を賄うための設定であります。現在の住宅ローン残高とは別物であることを明確に説明します。
2.「時価」契約のリスク
「時価」契約のリスクを認識しましょう。築年数に応じて建物の価値が減額される「時価」で契約すると、必要な再建築費用が賄えず、自己資金が必要になるリスクを警告いたします。
3.保険金額の決め方
保険金額の決め方として、建築費の相場や、購入時の建築費明細などを参考に、適正な保険金額を算出する方法が有効です。過剰な設定は保険料の無駄になることを注意喚起いたします。
保険期間と契約先!「保険選び」を有利に進めるためのコツ
保険選びを有利に進めるためには、「保険期間」と「契約先」の選択に関するコツがあります。
1.「長期契約」のメリット
一つ目のコツは「長期契約」のメリットです。契約期間を長く(例:5年、10年)することで、保険料の総額が割安になる傾向があることを説明いたします。
2.「複数の会社」を比較検討
二つ目のコツは「複数の会社」を比較検討することです。住宅ローンを借りた銀行提携の保険だけでなく、複数の損害保険会社や代理店から見積もりを取り、補償内容と価格を比較する重要性を強調いたします。
まとめ
火災保険の基本補償は火災、落雷、風災・雪災、水濡れ、盗難であり、台風の多い地域では風災が必須です。
河川の氾濫リスクがある場合は「水災」補償を付帯し、地震による火災や損壊は火災保険では補償されないため地震保険をセットで検討すべきです。
保険金額は事故後に同等の住宅を再建築できる「新価(再調達価額)」で設定し、保険料の総額が割安になる長期契約を選び、複数の会社から見積もりを取り補償内容と価格を比較することが大切です。


