家づくりをするときに、土地のセットバックという言葉を聞いたことはありませんか?
セットバックとは、建物を建てるときに、道路や隣地との間に一定の距離を空けることをいいます。
建築基準法によって、セットバックが必要な場合や、その幅が決められています。
セットバックが必要な土地の条件や注意点について、詳しくご紹介していきます。
セットバックとはなにか
セットバックとは、建物を建てるときに、道路や隣地との間に一定の距離を空けることをいいます。
これは、火災や災害の際に救助活動や避難がしやすくするためや、日照や通風を確保するためなどの理由で行われます。
建築基準法では、道路に面した土地では、道路から2メートル以上のセットバックが必要です。
また、隣地との境界線からも0.5メートル以上のセットバックが必要です。
ただし、これらは最低限の基準であり、都道府県や市町村によっては、さらに厳しい規制が設けられている場合もあります。
そのため、土地を購入する前には、必ず現地調査や役所での確認を行うことが大切です。
セットバックが必要な土地の条件
セットバック距離が必要な土地の条件は、道路や隣地だけではありません。
川や崖などの自然条件によっても、セットバック距離が必要になる場合があります。
例えば、川沿いの土地では、水害のリスクを考慮して、川から一定のセットバック距離を空けることが求められます。
その一定の距離は、川幅や流量などによって変わりますが、一般的には川幅の1.5倍から2倍程度です。
また、崖下の土地では、崩落の危険性を防ぐために、崖から一定のセットバック距離を空けることが求められます。
その一定の距離は、崖の高さや角度などによって変わりますが、一般的には崖高さの0.5倍から1倍程度です。
これらの場合も、都道府県や市町村によって規制の内容や幅が異なります。
川沿いの土地でのセットバックが必要な理由
ちなみに、川沿いの土地でのセットバックが必要な理由は、水害のリスクを考慮するためです。
川沿いの土地では、大雨や台風などで川が氾濫する可能性があります。
その場合、建物が川に近すぎると、水没や流失などの被害を受ける可能性が高くなります。
また、川から一定の距離を空けることで、救助活動や避難がしやすくなります。
さらに、川から一定の距離を空けることで、日照や通風を確保することもできます。
これらの理由から、川沿いの土地では、建築基準法や都道府県や市町村の条例によって、セットバック距離が定められています。
そのため、土地を購入する前には、必ず現地調査や役所での確認を行うことが大切です。
セットバックありの土地を購入するときの注意点
セットバックありの土地を購入するときには、以下のような3つの注意点があります。
工事費用が高くなる可能性がある
セットバックありの土地の場合、土地の所有者が測量や登記の費用、道路整備などの費用を賄います。
補助金が出る地域もありますが、基本的には土地の所有者が支払う場合がほとんどです。
そのため、セットバック距離分だけ建物の面積が小さくなる一方で、工事費用が高くなる可能性があります。
特に、角度や形状が複雑なセットバック距離では、設計や施工が難しくなります。
また、セットバック距離分だけ敷地面積が減るため、駐車場や庭などのスペースも狭くなります。
そのため、建物の間取りやデザインに制約が生じることもあります。
利用制限がある可能性がある
セットバック距離部分は建物以外でも利用制限がある可能性があります。
例えば、塀や垣根を立てることや植木鉢を置くことなどが禁止されている場合があります。
これは、火災や災害の際に救助活動や避難がしやすくするためや、日照や通風を確保するためなどの理由で行われます。
また、セットバック距離部分は公道になることもあります。
その場合、駐車や荷物の積み下ろしなどができなくなります。
利用制限を避けるためには、セットバック距離のない土地を選ぶ必要があります。
固定資産税の非課税申請を提出する必要がある
特に注意しなければいけないのが、非課税申請書の提出です。
セットバック距離部分は敷地面積に含まれるため、そのままにしていると固定資産税を払うことになります。
共有で使う道になったからと言って勝手に減免されることはないのです。
セットバックした分の固定資産税を抑えるためには、セットバック距離部分を公道として認められるように申請を出す必要があります。
まとめ
セットバックとは、建物を建てるときに、道路や隣地との間に一定の距離を空けることです。
建築基準法によって、セットバックが必要な場合や、その幅が決められています。
セットバックが必要な土地の条件は、道路や隣地だけではなく、川や崖などの自然条件によっても異なります。
セットバックありの土地を購入するときには、工事費用や利用制限や固定資産税などの注意点があります。
土地を購入する前には、必ず現地調査や役所での確認を行うことが大切です。
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