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高低差のある土地や斜面の土地に必要な擁壁工事とは?

高低差のある土地や斜面の土地に必要な擁壁工事とは? 土地について
土地について
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今回は、高低差のある土地や斜面の土地に建物を建てる際に必要となる擁壁工事について詳しく解説します。
土地の購入や家づくりを検討している方にとって、擁壁工事は大事な工事です。
この記事を参考に、安心して家づくりを進めてくださいね。

土地の擁壁工事とは何か、必要な土地と基準となる条例について

擁壁工事とは、土地の高低差による傾斜部分が崩れないようにするための工事です。
住宅を建てる際に必要なものであり、特に高台や丘に建つ住宅では必須となります。
これを行わないと、土砂崩れなどの大きな事故が発生する可能性があり、人命や建物を守るために欠かせません。

必要となる基準は、「土地の高低差が2メートル以上」です。
ほとんどの自治体では「がけ条例」によって、高低差が2メートル以上で角度が30度以上の崖の上や下に家を建てる場合、安全性を確保するため設けることが定められています。
ただし、具体的な測定方法は自治体によって異なるため、事前に確認が必要です。

また、工事を行う際には、自治体への届け出が必要なケースがあります。
特に「宅地造形工事規制区域」と指定された土地では、災害のリスクが高いため、届け出が義務付けられています。
工事には「盛り土」と「切り土」の2つの手法があり、盛り土は土を用いて擁壁や崖を作り、切り土は土を削って擁壁や崖を作ります。

住宅を建てる際にその安全性を確保するために非常に重要な工事です。
住宅を建築する方だけでなく、近隣住民の協力も必要となる場合があるため、前もって工事について理解を深めることが大切です。
必要性や基準、届け出の要件などをしっかりと把握し、安全で安心な住環境を整えましょう。

擁壁工事の種類

擁壁工事には主に以下の3種類があります。

石積み擁壁:

  • 特徴: 石やブロックを積み重ねて作られ、城の城壁のようなデザインが特徴です。和風の家や河川、水路の側壁に使用されます。
  • 工法:
    • 練積み: 目地にモルタルを入れて石を積み上げる。
    • 空積み: 石を積み上げるだけの工法。
  • 耐用年数: 20~50年
  • 費用目安: 1.6万~5万円程度/平米

コンクリート擁壁:

  • 特徴: 鉄筋の入っていない無筋コンクリートで作られ、現場でコンクリートを打つ方法が一般的です。
  • メリット: 大型重機を使用せずに施工できるため、コストを抑えられる。
  • 耐用年数: 20~50年
  • 費用目安: 2万~5万円程度/平米

鉄筋コンクリート擁壁:

  • 特徴: コンクリートの中に鉄筋が入っており、「RC擁壁」とも呼ばれます。強度が高く、斜面に対して真っ直ぐ設置できるため、擁壁上で大きく使うことができます。
  • メリット: 構造計算がしやすく、一番ポピュラーに使われる。
  • 耐用年数: 20~50年
  • 費用目安: 2.5万~10万円程度/平米

鉄筋コンクリート擁壁には、以下の3つの代表的な工法があります。
敷地条件に応じて最適な工法を選ぶことが重要です。

  • L型擁壁: L字型に設計された鉄筋コンクリートで、地中と垂直で支えます。
    地中部分が隣地に越境しないため、敷地を有効に活用できます。
  • 逆L型擁壁: L型の逆向きで、地中部分が隣地に越えないように設置されます。
    高低差のある低い箇所に建物を建てる際に使用され、高さを出しやすい特徴があります。
  • 逆T型擁壁: T字型を逆さにした形状で、安定性が高いです。垂直にすることができるため、敷地を有効に活用でき、広い敷地や境界の制限が少ない場合に適しています。

これらの特徴を理解し、敷地条件に合わせて最適な工法を選択することが大切です。

擁壁工事の費用

工事の費用について、多くの方が気になるのは価格です。
工事が必要な土地では、費用も予算に含める必要があります。
費用は場所や種類、高さによって異なりますが、以下の計算式で目安を算出できます。

費用目安=単価×面積

例えば、1平米あたり5万円の擁壁を高さ2メートル、幅20メートルの場合、200万円の費用が必要になります。

擁壁の種類と費用目安

  • 石積み擁壁: 1.6万~5万円/平米
  • コンクリート擁壁: 2万~5万円/平米
  • 鉄筋コンクリート擁壁: 2.5万~10万円/平米

補修工事の費用目安

  • やり直し工事: 3万〜13万円/平米
  • 補修工事: 1万〜2万円/平米

費用が上がるケース

  • 地盤が緩い: 強固な擁壁が必要
  • 道路が狭い: 運搬回数増加や通行止め費用
  • 勾配が激しい: 工事の難易度が上がる
  • 残土処理が困難: 処理量や運搬距離が多い

自治体によっては助成金を利用できる場合があります。
助成金を活用して、費用負担を軽減することが可能です。

擁壁工事における注意点

  1. 境界に関する近隣との打ち合わせ
    擁壁は隣地との境界付近に設置されるため、打ち合わせをしなくてはいけないことがあります。
    過去には工事費の負担や設置箇所を巡ってトラブルが発生した事例もあります。
    場合によっては、工事の際に敷地に入らせてもらえないこともあるため、専門家を交えて話し合うことが望ましいです。
  2. 既存の擁壁の状態確認
    購入を検討している土地に既に擁壁がある場合、傷んでいないか、基準に達しているかをチェックしなければなりません。
    ひび割れや変形、隙間の白い変色、水抜き穴の有無などをチェックしましょう。特に石積みの場合、50年以上経過している可能性があり、現在の基準を満たしていないことも考えられます。
    基準を満たしていない場合は、一度取り壊して再度工事を行う必要があります。
  3. メンテナンスと耐用年数の確認
    耐用年数は一般的に20~50年とされています。
    既存のものがある場合、その建設時期を確認し、専門の検査員に状態をチェックしてもらうことが重要です。
    厚みや設置環境によってダメージの程度が異なるため、安心して生活するために定期的な確認が必要です。
  4. 地盤調査の実施
    工事を行う際には、地盤調査が不可欠です。
    地盤が弱い土地に設置すると、沈下してしまう恐れがあります。地盤が弱い場合は盛土工事が必要になることもあり、費用が増加する可能性があります。
    地盤調査を行い、正確な資金計画を立てることが大切です。

これらのポイントを押さえて、トラブルを未然に防ぎましょう。
専門家の意見を参考にしながら、安心して生活できる環境を整えることが大切です。

まとめ

高低差のある土地や斜面の土地に建物を建てる際には、工事が必要になることがあります。
擁壁工事には、鉄筋コンクリート、コンクリートブロック、石積みなどの種類があり、それぞれに特徴と費用があります。
工事を計画する際には、がけ条例などの基準を確認し、適切な工法を選ぶことが重要です。
また、補助金制度を活用し、費用を抑える工夫も必要です。
安全で快適な住まいを実現するために、しっかりと準備を進めましょう。

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この記事を書いた人
ずかこ

「my home master」を運営しているずかこです。
叔母夫婦が設計士で姉が宅建士を持っており、私自身は約10年、不動産に関わる仕事をしてきました。
今住んでいる家は、叔母に図面を描いてもらい、知り合いの業者さんに基礎をお願いして、出来るだけ自分たちで作りました。

このサイトでは、私が学んだことや感じたことを皆さんと共有したいと思っています。
家づくりは楽しいだけでなく、大変なこともあります。
失敗しないためには、どんなことに注意すべきか、どんなプランがおすすめか、どんな工務店や設計事務所と契約すべきかなど、知っておくべきことがたくさんあります。
私はそのようなことを分かりやすく説明していきたいと思っています。
私のサイトが皆さんの家づくりの参考になれば嬉しいです。
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